二回目の精液検査
にも書いたが、一回目の精液検査(10/2)があまり良くなかった。
再検査をしても変わらなければ体外からのスタートもやむなし、という雰囲気だった。
が、しかし。
再検査を受けたところ、かなりの改善が見られた。
精液量 2.0ml→4.8ml(正常値2.0ml~)
精子濃度 800万/ml→3830万/ml(1500万/ml~)
運動率 38.8%→40.5%(50%~)
正常形態率 21.6%→25.6%(30%~)
SMI 22→90(80~)
「良くなってますねぇ。」
「ただ、これでも人工授精には早めに踏み切った方がいいと思う」
と医師は言った。
良くなった理由が何かはわからない。
まさか一昨日から飲み始めた漢方の効果ではないだろう。
風邪を引いていたこと、
禁欲期間を間違えたかも知れない(!)こと、
慣れない採取とギリギリの時間設定に慌てたことなどが影響しているのだろうか。
ともあれ、一度の過剰に一喜一憂する必要はない、ということがわかった。
何しろ同一人物の精液が1週間で5倍の濃度になったのだから。
治療前の検査は、来週頭の卵管造影を残すばかりとなった。
不妊治療でもっとも痛いと名高い検査であるが、幸い私の通っているクリニックは比較的痛くないという評判である。
排卵日近くしか予約が取れなかったため、今月はタイミングを取るのもお休みである。
今日の結果も踏まえ、卵管造影で問題がなければ次周期から人工授精にチャレンジすることになりそうだ。
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体外からでなくて良かった、というのが正直な気持ちだ。
妊娠を望んだときから、つわりや陣痛、分娩の苦しみは覚悟していたわけだが、体外受精の心身に与える負担や大きな出費への覚悟はまだ整いきっていなかった。(今回の検査の結果が良くなかったら次周期までの3週間で覚悟を決めようと覚悟していたところだ)
それ以上に、体外受精によって私にかかる心身の負担を目の当たりにしたとき、きっと精液検査の結果を見たときとは比べ物にならないくらい大きく落ち込むだろうと予想していたからだ。
不妊治療を始めるまで、妻側に原因があれば妻側の治療を、夫側に原因があれば夫側の治療をするものだという素朴なイメージを抱いていた。
実際は違う。夫側に原因があったとしても、夫側へのアプローチが有効、というケースは限られているのだ。
そのことをもって男性はラッキーだとか苦労を知らないなどと言うつもりはない。むしろ、自分の持っている「原因」には治療が行われず、パートナーの心身に負担がかかるのを見ているというのも随分辛いことなのではないか。
そう考えてみると、相対的に心身への負担が少ない人工授精から始められるということに少しばかり安堵するのだった。